忍野八海
忍野八海

豊富に湧き出る水に感動

忍野八海は、富士山とその外輪山の伏流水の湧出した八つの池からなり、世界遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産として登録されています。それぞれの池には、清冽な湧水に、バイカモなどの野生の水草が繁茂していて、素晴らしい景観です。その周辺の開発状況とは裏腹に、貴重な自然環境が維持されています。池にはニジマスやコイが放たれ、悠々と泳いでいます。

濁池

濁池

池の周りは、土産物屋と飲食店で取り囲まれていて、湧池、濁池の周辺では、大変な人だかりです。台湾中国からの観光客で半数ぐらいを占めています。湧池の脇には湧水を垂れ流しにしている井戸があって、飲用も可能です。手を入れると、ヒヤッとします。だいたい13度から14度ぐらいで年中安定しているとのことです。お釜池は、池の縁から大量の水があふれ出して川になっており、豊富な湧水であることがわかります。

榛(はん)の木林民俗資料館

榛(はん)の木林民俗資料館

この湧水井戸の隣には、「榛(はん)の木林民俗資料館」があり、有料施設(中学生以上300円)となっています。受付の建物の上が展望台になっていて、忍野八海周辺が見渡せます。特に、手前の大きな池(こちらは、八海のうちには数えられていない)を挟んで旧豪族の藁葺き古民家が佇み、その背景に富士山という構図に引き込まれます。旧豪族の母屋の中には、後北条氏が本能寺の変の直後に当主であった渡辺庄左衛門尉に宛てた「朱印状」が展示されており、興味深いです。後北条氏が当時織田信長領であった甲州を狙って、決起を促したものとのことですが、庄左衛門尉が応じたのか否かは、分かっていないそうです。この建物の順路は、屋根裏部屋まで及んでおり、この手の公開古民家としては極めて珍しいと言えるでしょう。屋根裏部屋には、サッシ窓が設置されていて、遠景が楽しめるようになっていました。ここでは葺いてある藁の様子も目の前で見ることができます。資料館の敷地内の屋敷森の中に八海の一つである底抜池があります。有料施設内で団体観光客もおらず、落ち着いてみることができます。八海の中では、少し離れた場所にある出口池を除くと、森に囲まれ最も自然に近い状態にあります。コイと見紛う大きさに育っているニジマスが超然と泳いでいるのが印象的でした。

底抜池

底抜池

さて、忍野八海の八つの池は、出口池、お釜池、底抜池、銚子池、湧池、濁池、鏡池、菖蒲池です。出口池を除く7つの池は、隣接しています。これらの池は、富士山の山岳信仰に深い繋がりがあり、富士山登山の前の禊の場だったとのこと。それぞれの池に伝説が受け継がれていて、忍野村のウェブサイトに紹介されています。

忍野八海へのアプローチ

車車で移動してきた方は、土産物屋・飲食店の駐車場に止めることになりますが、よりどりみどりです。飲食をすれば無料のところ、お土産を一定金額以上買えば無料のところ、飲食・買物をしなくても一定金額を支払えばよいところなどすれぞれのルールがあります。距離的には徒歩5分圏内の場所がほとんどです。

特記事項

この周辺には、忍野八海以外にも後から作られた人工池が散在していて、少々紛らわしいです。最も紛らわしいのは、濁池と鏡池の間にある中の島に橋を渡してある池です。この地を訪れたほとんどの人は忍野八海の一つだと勘違いして帰られるのではないでしょうか。

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